あるSNSの会員区分について、考える。

結論、行動経済学を考慮し、3000円を選ぶ心理的負荷の低いデザインとなっている。

・なぜ、4つの会員区分か?

まず、社会心理学的な研究によると、選択肢の数が増えると、人々はより小さな寄付を選びやすくなる傾向があります。この現象は、「選択肢過多」として知られています。選択肢が多すぎると、人々は選択肢の数に圧倒され、判断を下すのが難しくなります。その結果、人々はより安全な選択肢を選びがちであり、少額の寄付を選ぶ可能性が高くなります。

一方で、社会心理学や行動経済学の研究によれば、3つの選択肢がある場合、人々は中間の選択肢を選びやすい傾向があります。これは、「中間選好の傾向」として知られています。

この傾向は、人々が選択肢を評価する際に、両端の選択肢よりも中間の選択肢をより好ましく見なす傾向があるためです。また、両端の選択肢が極端であると感じることがあり、中間の選択肢を選ぶことでリスクを回避する傾向があります。

したがって、3つの選択肢がある場合、人々は中間の金額を選びやすい傾向があります。

さらに、

4つの選択肢がある場合、高額な選択肢が存在すると、人々はその選択肢に引き寄せられる傾向があります。これは、「アンカリング効果」として知られています。

アンカリング効果は、人々が物事を評価する際に、最初に提示された情報に強く影響を受ける傾向があることに起因しています。高額の選択肢が提示されると、人々はその選択肢を基準として、他の選択肢を評価し、選択する金額を高く設定する傾向があるためです。

一例として、ある研究では、4つの選択肢($10、$15、$20、$25)が提示された場合に、$25の選択肢があると、平均的な選択金額が$20に比べて高くなることが示されています。

つまり、

高額の選択肢が提示されると、他の選択肢も高く見られ、その選択肢に引き寄せられる傾向があります。したがって、10000円の選択肢がある場合、他の選択肢も高く見られる可能性があります。

例えば、1500円、2000円、3000円、10000円の選択肢がある場合、10000円の選択肢がアンカリング効果を引き起こし、他の選択肢が安く見られることが予想されます。そのため、3000円が最も選ばれやすいという結果が出る可能性があります。

そのうえで、1500円に対して、ネガティブなコンテキストとピアプレッシャーを与えることで、2000円、3000円が選びやすくすることができます。