暗黙の共謀

「他店より一円でも高い場合は値下げします」
この宣伝文句に隠された意図
企業体力が上の企業がこの文言を「明確に」打ち出すことで、
次のような状況が考えられる。

原価が20,000円の商品をA社が25,000円で売り出す。
A社は先ほどの宣伝文句を打ち出す。
B社は22,000円で売るつもりであったが、その値段で売ったとしても、A社は21,000円で売るであろう。A社が21,000円で売った場合、すべてのお客はA社で買う。これ以下では原価割れになる。
企業体力がB社の方が小さい場合、価格競争の消耗戦になり、
先に倒れることとなる。

よって、B社としては25,000円で売り出すのが最適となる。
つまり、「他店より一円でも高い場合は値下げします」という文言は、お客向けではなく、価格競争を避けるための同業他社へのメッセージである。
これを、暗黙の共謀と呼ぶ。

さすがNHK、スポンサーがついていないメリットというのは
こういった面にあるのかもしれない。