ツァラトゥストラ ニーチェ

(1) 本の内容の紹介

ルサンチマン=苦しみが繰り返す、無からする歯ぎしり、嫉妬
西研氏はそこから発展して、あの時こうしていたら、という過去を振り返ってのたら、ればも含むとしている。
ニーチェはツァラトゥストラにおいて「神は死んだ」の言葉でキリスト教の聖書に変わる価値観を提供すると考えていたとされる。
これは後の実存主義に続くものであり、当時におけるキリスト教価値観の崩壊が表されている。
神の価値観 善/悪
人間の価値観 よい/わるい
人間の価値観は性の高揚である。
神の背後にルサンチマンがある。
この世で救われなくても神において救われる。
しかし、当時において神がいないことから、基本的な価値観の軸がぶれ、ニヒリズムが横行していた。
そのような人々を末人としている。
「精神がラクダになり、→耐える
ラクダが獅子になり、→反抗する
最後に獅子が幼子になる →無垢に楽しみ挑戦する
有様を」
永遠回帰を理解すると超人になる。
人生を肯定する、その苦しみを欲する→運命愛
一つの喜びはすべての苦しみより深い

(2) 本の内容に対する評価や感想・批評

ツァラトゥストラにおいては、ニーチェの大学の教授になってからの挫折か、ルー・ザロメとの失恋が大きく影響している
と考えられる、永遠回帰の思想はルーと離れて生活することになったが、共に過ごしたころの輝きがあれば生きていける程度の
ものなのだろうか…。
超人においては他者をうらやむことなく、他者の物差しで自分を計るのではなく、自分の物差しをもって自分を肯定する。
自分の不幸な境遇や間違った選択があった、その結果の今を受け入れる。
今においての幸せがあったことを理解する。
その程度のことなのだろうか…。

文系学部不要論ではないが、一つの真実を発見できない。
答えは受け取る側の認識による、実験・数式による証明ができない。
そうした学問は時代において都合よく内容を変化させられるだけで、学問としての発展はないのかもしれない。