レ・ミゼラブル ユーゴー

1862年、ユーゴー『レ・ミゼラブル』、第二帝政のフランスで書かれたものである。
作品中ではナポレオン1世没落直後の1815年からルイ18世・シャルル10世の復古王政時代、
七月革命後のルイ・フィリップ王の七月王政時代の最中の1833年までの18年間を描いており、さらに随所でフランス革命、
ナポレオンの第一帝政時代と百日天下、二月革命とその後勃発した六月暴動の回想・記憶が挿入される。
当時のフランスを取り巻く社会情勢や民衆の生活も、物語の背景として詳しく記載されている。

幸福論 アラン

1925年、アラン『幸福論』、第三共和政のフランスで書かれたものである。
内容は運動しなさい、苦しみの原因に目を向ける、情念(嫌な感情)に支配されない。
自分が幸福になるという誓いを持ち、意志の力で戦う!
真の幸福とはその人と一体になっているもの→何かに打ち込める能力。
私見として、人間の感情は脳内物質が生み出す、副次的なものでしかない。
こころが「いいな」と快く感じれば、意欲はかき立ててくれるホルモンが分泌され、こころはますます「やるぞ!」と前向きになり、身体の方も健康が増進する。

日本人のための憲法原論 小室直樹

(1) 本の内容の紹介

(2) 本の内容に対する評価や感想・批評
憲法の生死は憲法の精神が国民に生きているかによる。海外の憲法の成立にくらべて、日本ではデモクラシーがなかったこと。内容はホッブス、ロック、ルソーの社会契約説からの内容。興味深い記述は資本主義社会とカルヴァン派のくだりで、経済活動を禁止していない儒教からは、近代資本主義は生まれていない!
ウェーバー「近代資本主義の萌芽は、徹底的に資本に敵対的な経済論理が公然と支配してきた地域に求められなくてはならない」
憲法とは国家を縛るための命令
カルヴァンの予定説(原罪、神の下の平等、最後の審判)により、資本主義、デモクラシーが生まれた。
ホッブスとロックの違い
ロックは労働によって冨は無限に増やすことができる。
ホッブスの時代は土地がすべてであったが、ロックの時代は財の価値は別にあった。
ロックは私有財産
ロックの弟子、モンテスキュー
イギリス ディズレーリ 選挙の公約の大切さ
アメリカの平等は機会の平等
ロベスピエール、マルクス、結果の平等
政治がうまくいかなくなると大衆は英雄を求める
ケインズ、波及効果
日本は天皇教であったため、人民との契約という考えが生まれなかった。
啓蒙的な内容であるが、一国民にできることはなんなのであろうか。

社会契約論 ルソー

ホッブス 1588-1679
国籍:イギリス
人間の本性:自己保存の欲求・他者への虚栄心
自然状態:万人の万人に対する闘争状態
社会との契約内容:自然権を国家へ譲渡
政治体制:君主制

ロック 1632-1704
国籍:イギリス
人間の本性:社会的で理性的な存在
自然状態:自由・平等(やや不完全)
社会との契約内容:自然権の保証を求める
政治体制:議会制民主主義

ルソー 1712-1778
国籍:フランス
人間の本性:自己愛と他者への憐み
自然状態:生まれながらにして自由・平等
社会との契約内容:一般意志に基づく国家への服従
政治体制:直接民主主義

引用 http://manapedia.jp/text/1241

ルソーの思想は当時の絶対王政に対する疑問である。
フランス革命は1789年からとされているので、ルソーの死後となる。

舞姫 森鴎外

(1) 本の内容の紹介
「我」こと豊太郎はある夕暮れ、街角で
涙にくれていた16~7歳の踊り子、
エリスに声をかけ、父の葬儀代を工面
してやるなどして苦境を救う。

これをきっかけに、エリスとの交際が
始まったが、そのことについて同国人に
中傷され、官吏を免職されてしまう。

が、親友、相沢謙吉の尽力により
新聞社の駐在通信員という職を得、
エリスはやがて豊太郎の子を身ごもる。

やはり相沢のおかげで大臣のロシア
訪問に随行することなり、これを機に
復職のめどが立った「我」は、相沢の
忠告にしたがい、帰国を決意する。

が、心配するエリスには真実を
告げられず、その心労で倒れる。

豊太郎が人事不省でいる間に、
相沢から事態を知らされたエリスは、
衝撃から発狂。

治癒の望みが無いと告げられたエリスに
後ろ髪を引かれつつ、豊太郎は帰国する。

(2) 本の内容に対する評価や感想・批評

原作も読了。まんが化にあたってエリスとの出会いのシーンなどを原作準拠ではいけなかったのか?
内容に関しては、いわゆる私小説であり、エリスのモデルであるエリーゼは実際に日本に来ている。
鴎外が結婚する気だったのかや当時の家制度、結婚制度を考えるうえでの参考文献にはなるかもしれないが。
小説の内容としても大事な内容は床にいる間に友人から、狂ってしまったから仕方ない程度の内容でしかない。

最近常々思ってしまうのだが、日本の文学はこの程度のものでしかないのだろうか。

贖罪 読売新聞社会部

(1) 本の内容の紹介
人はどう罪と向き合い、人は刑罰で変われるのか。罪と罰の真実。

(2) 本の内容に対する評価や感想・批評
メディアの役割は公権力の監視という意味で、賞賛できる本。
様々な罪についての受刑者が書かれていたが、複数犯の場合、スタンフォード監獄実験によって証明されている通り、
集団心理というものとその役割によって行動が変化することがわかっている。
刑務官の受刑者は楽な方に逃げる生き方をしてきた。
性犯罪者が本人もついやってしまうというところ、これに関しては脳の前頭葉の機能など、脳に欠陥があるのではないだろうか。
更生プロフラムについて、自分が犯罪を犯してしまう際のトリガーを認識して、とあったが
トリガーを認識して、それで抑えられる人間ならそもそも犯罪者になっていない。
海外の部分で少し記述があったが、薬を処方するなどした方が効果があるだろう。
ブラシーボであってもそもそも意志力がなく、自身の衝動が抑えられないのであるから。
読んでて感じたのは、犯罪者としての自分を受け入れた場合再犯率が高くなるということ。 悪い仲間とつるむというのが例として挙げられていたが。一方でつるむ相手がいなく、社会に居場所が なく、会社や社会に温情でおいてもらっていると考えている場合、(性犯罪を除く)再犯率が下がるようだ。 犯罪者情報の公開が非常に効果があると。

車輪の下 ヘルマン・ヘッセ

(1) 本の内容の紹介
ドイツの片田舎で神童と言われ育った主人公ハンスは全国のエリートの集まる神学校への合格を二番という席次で掴み、周囲の期待を背負い進学する。その中で多くの挫折を味わい、神経症を患い退学し敗北感とともに帰郷する。しかし、故郷に彼を理解しようとする者はおらず、機械工として働き始めた矢先彼は酒のために誤って河に落ちてしまい、あっけなくこの世を去るーー

(2) 本の内容に対する評価や感想・批評
働きアリの法則というのがある
http://www.entrepreneur-ac.jp/report/bando/ants20121004.html
優秀な人物ばかりを集めても、その学習レベルに差が生まれる。
逆に駄目な人物ばかり集めても、できる人物が現れる。
学校というせまい世界では、その世界から外れることはつらいことかもしれないが
次の世界でトップを目指せばいい、たとえ冷たい目や嘲笑にさらされたとしても。

美人の正体 越智啓太

基本的には多くの顔を重ね合せた平均顔仮説が、美人やハンサムを説明するためには重要。
肌のすべすべ感は平均化に匹敵する。
平均化に加えて目が大きく、顔の下半分が小さいという幼型化という条件が、とくに女性の外見的魅力を向上させるためには重要。
女性が若いことが重要な意味を持っているから。
やりにげの問題、経済的な先行投資を要求