ボリンジャーさんが開発したもので、移動平均線にボラティリティ(価格の変動率と標準偏差)の概念を組み入れたテクニカル分析です。
ボリンジャーバンドの概要
- 一定の確率で想定される値動きの範囲を視覚化したもの=ボリンジャーバンド
- エンベロープ(バンドの幅が一定)と異なり、変動率を加味してバンド幅が拡大・縮小する。
標準偏差(σ)とは
- 現在の価格が移動平均線(ミッドバンド)からどの程度隔たっているかを示す。
- 標準偏差が小さい:価格変動が小さい。
- 標準偏差が大きい:価格が大きく動く大相場を意味する。
ボリンジャーバンドの構成
- アッパーバンド2:ミッドバンド + 2σ
- アッパーバンド1:ミッドバンド + 1σ
- ミッドバンド:移動平均線(一般的に20~25SMA、開発者は21日線)
- ロワーバンド1:ミッドバンド – 1σ
- ロワーバンド2:ミッドバンド – 2σ
3本のラインを引く場合、内側から順に±1σ、±2σ、±3σと表記します。
確率の考え方
- 1σ(標準偏差)内:事象が存在する確率は約68%
- 2σ内:事象が存在する確率は約95%
ボリンジャーバンドの使い方
1. バンドを抵抗として逆張り
買われすぎ・売られすぎの際に取引する方法です。
- ボリンジャーバンドが拡大していない局面で有効。
- アッパーバンド2(+2σ)と交差:売り。
- ロワーバンド2(-2σ)と交差:買い。
- 価格が2σ内で変動する確率が約95%なので、異常な価格はいずれ修正される考え方です。
※ただし、ボリンジャー自身は統計学の正規分布を前提としない順張りを推奨しています。
2. ボラティリティ・ブレイクアウトで順張り
トレンド発生の可能性にかける順張り手法です。
- 収縮し接近したバンドが横ばい状況になる。
- バンド幅が拡大し始める。
- 価格が±2σの外で引けたとき、そのブレイクした方向にポジションを建てる。
- トレンド発生後、価格がバンド上を動く「バンド・ウォーク」を形成する。
- バンドの拡大が収縮に転じるところで手仕舞い。
手仕舞いのポイント
- 逆方向のバンドが反転:部分的に手仕舞い。
- ブレイクした方向のバンドが反転:全てのポジションを手仕舞い。
上下のバンドが収縮=相場のエネルギーを放出しきり、トレンドが終わることを意味します。