確率別の収束速度について
今回は確率別の収束速度について解説させて頂きます。
目次
1. コインゲームの期待値
まずは直感でも分かり易い、コインゲームの期待値を考えてみたいと思います。
★コインゲームのルール
表が出たら200円貰える
裏が出たら100円支払う
このコインゲームの1プレイ当たりの期待値は幾らでしょうか?
答えは:
期待値= ( 1/2 × -100円 + 1/2 × +200円 ) × 1回 = +50円
2. サイコロゲームの期待値
次に、サイコロゲームの期待値を考えてみたいと思います。
★サイコロゲームのルール
1が出たら800円貰える
1以外が出たら100円支払う
答えは:
期待値= ( 5/6 × -100円 + 1/6 × +800円 ) × 1回 = +50円
3. ゲームに参加するべきか?
両ゲームとも1プレイ当たりの期待値はプラスですが、プレイ回数が重要です。最低でも200回以上プレイできる条件で参加するべきです。
なぜなら、試行回数が少ない内は運の要素が強く、理論値に収束しにくいためです。
4. 確率の収束と大数の法則
試行回数が増えるほど、理論値に収束する傾向があります。この現象を大数の法則と呼びます。
以下は勝率20%、40%、60%のシステムにおける試行回数と確率の収束を示すグラフです:
5. コインゲームとサイコロゲームのまとめ
1プレイ当たりの期待値がプラスで、かつ200回以上プレイできる条件を満たした場合のみ参加するべきです。
試行回数が少ない場合、偶然が収益に大きく影響を与えることを理解しましょう。
6. システムトレードにおける試行回数
取引回数が多いほどシステムの勝率は本来の値に収束します。200回未満のバックテスト結果は信頼性が低い可能性が高いです。