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財団法人「飛鳥会」の元理事長が大阪市から管理を受託した駐車場の収入を横領していた事件にからみ、金融庁は、三菱東京UFJ銀行が長期にわたって元理事長の不正にかかわったとして、行政処分を出す方向で検討に入った。同行は理事会に行員を常駐させていたほか、横領した元理事長側に数十億円の融資を行っており、一部業務の停止も含めた厳しい処分が出る可能性もある。

 関係者などによると、三菱東京UFJの前身の三和銀行淡路支店が84年ごろから、歴代の法人営業課長を同会に経理担当として常駐させ、同会が管理する駐車場の収入を理事長だった小西邦彦被告の口座に振り込むなどした。また、同行と関連ノンバンクから、小西被告側に数十億円の融資をしていた。同行などは、これらの融資が未回収になっているとして返還を求める訴訟を起こしている。小西被告は24日に業務上横領と詐欺の罪で懲役6年の実刑判決を大阪地裁から受けた。


 金融庁は、大手銀行が犯罪行為を行った元理事長と長期にわたって不透明な関係を続け、行員が不正にかかわったことなどについて、重大な法令順守体制の欠陥があったとみて、厳しい行政処分を検討している。【坂井隆之】


毎日新聞 2007年1月27日 10時43分