(1) 本の内容の紹介
名門校の入試日。試験内容がウェブ掲示板で実況中継されていく。遅れる学校側の対応、保護者の糾弾、受験生たちの疑心。わずか数時間で悪意が撒き散らされていく。
(2) 本の内容に対する評価や感想・批評
生徒と付き合ってた先生については異動で済ます。
高校入試の合格請求の不備
自分の点数がわかっても、他者と比べられなければ合格かどうかわからない。
ネットの書き込みについて、名前を明かすというリスクを冒さずに意見を言ったところで。
と言っているが、実際はネットの書き込みでも十分な影響力がある。
偏差値の問題。
作中で教師と校長は「では、ランクの低い高校に通うものはがんばっていない、と?」
「それもまた、極論だ。人間にはもともと能力の差があることを、誰もが認めなきゃならんのだ。その中でそのものなりに努力すればいい。そして、その努力は何らかの形で認められたり、賞賛されるべきだとも思う。だが、それは学力を判定する場に持ち込むものじゃない」
「では、どこで?」
「親が家で褒めてやりゃいい。自分で自分を称えてみればいい」
これが教育の理想としてある。
その視点から、事件を起こした人物の状況、また、前半からの一高卒業生である誇り等の現実との乖離。
他人の物差しで自分を図ると不幸になる。
他人がその物差しで自分を図ってきたらどうするか。
その人物とはかかわらない。なぜなら、他人を変えることはできないから(厳密にはできるが)
しかし、これが進みすぎると次のようにいわれるが。
「衝突を恐れてそれぞれのコミュニティにひきこもり――ぬるま湯の中で適当に甘やかしあいながら、好みの「真実」を垂れ流す。」
「かみ合わないのにぶつからない「真実」の数々。誰も否定されないが故に誰も正しくない。」
「ここでは淘汰も起こらない。世界は「真実」で飽和する。それが世界を終わらせるのだ。緩やかに。」