書評の書き方

この課題を読書感想文とせず、書評としたのは本の内容を把握しそれをまとめ、その上で本に対する評価を与えたり批評したりしてもらおうと考えたからである。すなわち、読書感想文とすると感じたままを書けばよいと捉えるかもしれない人に、もう少し真剣に本の内容を把握してもらう努力をしてもらおう、というところに意図がある。

書評に絶対のスタイルがあるというわけではないが、この課題では次の点は最低限記してもらいたいと考えている。

(1) 本の内容の紹介

(2) 本の内容に対する評価や感想・批評

(1)の本の内容の紹介については、次のようである。まず、本全体がどういうことを扱っているのか、本の意図はどのようなところにあるのか、本の筆者が最もいいたかった点は何か、といった本全体の内容の紹介は必要である。その上で、自分が特に注意して読んだ箇所、自分が面白いと感じた箇所、自分がこの内容は本を語る上で欠かせない点だと感じた箇所、といった細かい点の紹介へと進んでいく。各章に書かれている内容を、すべて要約していく、というスタイルの書評も数多くある。

(2)こうして本の内容を紹介した上で、本の内容に対する自分の評価や感想・批評を記す。本の内容はよかったとか、悪かったとか、面白かったとか、つまらなかったとか、あるいは、この本の内容を支持する、この本の内容に反対する等である。その際、理由をつけることが望ましい。内容がこうだから、この本はよくないと思う。本におけるこういう指摘がすぐれているから、この本を高く評価する。本の内容のこの点は事実と違うので、この本は信頼できない。等といったように、評価や感想・批評が説得的であるのがより良い書評であると思う。

本の評価や感想・批評は本全体に対して与えるということもあれば、取り上げた箇所ごとや、紹介した章ごとに与えていくということもある。すなわち、書評の冒頭や最後部分で評価や感想・批評が与えられるということもあれば、途中途中でそれらがその都度与えられるというスタイルもある。

引用元: 書評の書き方.
←リンク切れ(2022/5/29)

【追記】
【テキストの読み方とメモ】
①テキストの著者のテキスト内での目的は何か?
→ このテキストはどのような目的で何のために書かれているのかをチェック!
②意味のまとまりを考えて読み進める。
→ 本なら章ごと、第 1 章だけのような章のみなら節ごと、雑誌や新聞記事なら意味段落ごと
→ 読んだまとまりごとに、200 字~300 字ほどで要約してみよう!
→ 各まとまりはどのような関係でつながっている?
③このテキストで明らかになったことは何か?
→ 目的と相対的になっているか確認しよう。
→ 研究方法、使用したデータやソースは何か?
④自身(書評をする人)が気になった点は何?
→ 批判的な視点を持って、研究方法やデータにツッコミ(疑問点や批判的な意見)を入れてみよう!!

2021-009_syohyo

お金と感情と意思決定の白熱教室 ダン・アリエリー

人間は怠慢なため環境を作ることが必要→めんどくささを減らす
ホタルのタオルを増やすには
ベストは
「当ホテルは環境保護のためにすでに寄付しました。あなたも協力していただけるならタオルを再利用してください」
「この部屋に泊まったお客様の75%が再利用しました」
アッシュの同調実験
興奮状態とさめた状態では脳の領域が違う
感情に訴える方法は統計を使う方法と共存できない
なるべく身近なイメージできる対象でないと感情をゆさぶられない
双曲割引
代替報酬
理由なき一貫性→アンカリング効果
努力の認知が必要→モチベーション

若きウェルテルの悩み ゲーテ

1.感想
まんがで読破で読み取れた限りという前提
死に至る病とはすなわち…
自分で自分の限界
既成概念

2.個人的な発展として
若きウェルテルの悩みが書かれたのは1774年のドイツ
1830年のフランスで書かれた、スタンダール「赤と黒」では不倫は普通のことと描かれる。
時代の既成概念、ルール、倫理やモラルは時代、場所、人で変わる。
そのルール自体を限界だと考えて、そのルールを超えることを考えもしない。

夏目漱石の「こころ」は1914年に発表されたが、自殺したKをウェルテルとすると、視点を変えたのみで似てると言える。
手紙形式というところも、
パク…り?…骨子を作り、細部を作る。
結局、文学というのはその程度のものなのかも。

話の中にも書かれているが、ウェルテルは周りは低俗な人間とバカにするが、
「僕はずっとあたりを見回しては自分の力を才知をその源である自分の心を誇ってきたが、僕が世界を軽蔑せずにいられなかったのは、僕自身が卑小だったからだ。」
そのとおりで、自分が優れていると思うなら、心ではどう思っていても周りとうまくやっていけるようにすればいい。
評価というものは、他と比べて成り立っているものなのだから。それがわからずに周りバカにし離れていき、優しくしてくれた人々には依存する。そのようにしか行動できない自分の高慢さと矮小さを理解してほしい。
周りをバカにする主人公が登場する小説には必ずいれて欲しい言葉。

使えるマクロ経済学 菅原晃

・感想

最後通牒ゲーム
独裁者ゲーム
公平主義は後天的
モンティ・ホール問題
プロスペクト理論
ヒュリスティック

・発展として

二項分布
運とは無意識の選択
経済学は行動経済学を学んでおけばいい。

少女 湊かなえ

1.感想
面白かったが、因果応報なのに敦子の悪口を書いた同級生に因果が廻ってない。
星羅ならきれいにまわったので、うまく書いてほしかった…。
↓うまくまとまっています。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1447994219

2.個人的な発展として
因果は廻る
そのせいで何人か自殺していくわけだが、由紀は敦子に救われる。
敦子も由紀に救われる。
自分を信じてくれる人がいれば、大丈夫かな。

「告白」「しらゆき姫殺人事件」でもそうだったが、
この「少女」という物語は、思春期の少女という生き物の無邪気な残酷性を表しています。
が正解なのかな。

世界が日本経済をうらやむ日 浜田

・感想として
アベノミクスに関わっているため、その賛成本。
経済学についての基本を書きながら、アベノミクスの対策がなぜ効果があるのかを書いている。

他の読者の意見を読んで
本を読まずに批判するのは論外として、賛成意見は素直に信じすぎ。
反対意見に関しては、例えば景気はよくなっているのか
その判断をどの数字でするのかを明確にして議論しないと、雇用統計では、消費者物価指数では、…と議論が分散していく。
アベノミクスに関してはインフレターゲット2%と明確にしているのだから、そこのみで判断してもいいのではないかと考える。
このインフレターゲットも原油安のせいで達成できないとあるが、
またはデータ選択の問題
この本では計算の根拠となる、数字をもっと明確に示すべきである。
都合のいいグラフを書いていると思われても仕方のない部分がある。

そもそも論として、期間を区切って、明確に計算方法も合意されている数値で判断するというような議論をする前提が、経済学の議論ではできていないと考える。短期、長期の考え方
非正規雇用が、実質賃金が、アベノミクス前から…
波及効果に関して
マインドという数値化できないものを

個人的に、波及効果について、センも「合理的な愚か者」で書いているようにホモ・エコノミクスを前提とした議論にたいする
信頼を全く感じない。

経済の波及効果では、消費者マインドが…、銀行がお金を貸し出すように…、こうすれば合理的にこう動くという前提が
間違っているように考える。
経済がホモ・エコノミクスのみで成り立っているなら、宝くじを買う人、ギャンブルをする人はどのような計算式で成り立つのか
つまり、胴元が確実に儲かり自分の期待値が限りなく低いもののことを指すのだが

行動経済学の発展に期待したい。

八日目の蝉 角田光代

作者が言いたいことは、主人公が不倫をして、薫も不倫をして子供ができたこと、婚姻している家族が必ずしも幸せと描かれていないこと、主人公は子供をおろしたこと、薫は産む決心をしたこと、から考えると、
つまり、結婚している相手の子供を妊娠したっていいじゃん、結婚が幸せなわけじゃないでしょ、相手がいなくなっても相手との子供がいれば生きていけるよね。ということかな。
新聞小説だからか、伏線はったけど、そのあと登場しないという人物がほとんど…当初の構想としては薫が誘拐されていた最中に知り合った人物に出会うことで、当時の記憶をたどり…おそらく最後には誘拐犯とも和解する、あの時は楽しかったし、優しくしてくれたしとか本当に私のことを愛してくれていたんだなとか…

男が怖いとかって内容はなんだろう…作者が女子中高のようなのでその思いからか。

エンジェルホームも作者の女子中高時代の話が多分に出てるんじゃないか。

貞操観念がうんぬんて感想をいくつかみたけど、女だけの集団にいた、いる場合と性行為に対する意識が抑圧されていた場合、通常よりそれを求めるというよくある話。作者のそういった思いが出ている小説ということ。